よくわからないや。

107年前は世の中で何があった? 慶應の甲子園優勝は変革期!「アインシュタイン一般相対性理論』を発表」「夏目漱石が死去」「明治製菓創業」

 

 

 

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れ続けることについては全く触れられていません。それどころか、今回同封された復興庁のチラシや経産省
よる別のチラシ「ALPS 処理水の海洋放出による風評影響への対応」では、再処理工場等からの大量のトリチウ
ム水放出を例示することにより、もっとひどい例があるから、それより少ないレベルの放出は認めるべきだとの誤
った理解を押しつけるものになっています。これは「巨悪と比べれば許される」というコソドロの論理です。

 


(e) 東京電力が 2022 年 3 月 18 日の第13回審査会合で示したトリチウム汚染水(ALPS 処理水)海洋放出の運用
方針では、トリチウム濃度が最も高い216万 Bq/L の ALPS 処理水については、22兆 Bq/年のトリチウム放出
管理値を超えるため、30年間貯蔵してトリチウムが十分減衰した後でしか放出しない運用になっていますが、
そのことには触れていません。トリチウム半減期は12.3年と短く、平均62万 Bq/L の ALPS 処理水をこのまま
107年間保管し続ければ平均1,500Bq/L へ減衰し、トリチウム総量も激減するため、トリチウム汚染のリスクそ
のものをなくせることにも触れていません。

 

 


(f) ALPS 処理とサブドレン排水によって建屋内滞留水の水位低下が進み、汚染水の発生量をゼロにできる見通
しがたつ一方、燃料デブリを30年以内に取出せる技術的条件は揃っておらず、喧伝される廃炉のための敷地
の有効利用の必要性について具体的な計画はなく、海洋放出という緊急避難的措置を必要とする理由は全く
存在しません。なぜ今、海洋放出なのかという根本的な疑問に答えていません。
(g) 原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、「2016 年報告書科学的附属書 C 内部被ばく
核種の生物学的影響-トリチウム-」の中で、「ヒトに類似性の高い哺乳動物での実験から得られたトリチウム
β線の生物学的効果比 RBE 値は、γ線基準で 1.0~5.0(中心は約 2~2.5)、常用電圧 X 線基準で 0.4~
8.0(中心は約 1.5~2)の範囲で、線量が低いと RBE 値が増加するという一般的な傾向が示されているが、関
連データが不足しているため、哺乳動物における発がん効果について具体的な結論を引き出すのは難しい。」
(325)と不確かさが大きいことを示す一方、「グルコースアミノ酸、ホルモン、DNA や RNA 前駆体のようなトリチ
ウム化した生化学物質は、血中に取り込まれ細胞中の代謝活性が高い場所に運ばれた場合、体組織中の有
機分子に直接的に取り込まれる可能性がある。トリチウム化した生体高分子の前駆体の摂取の後、哺乳動物組
織の内部被ばく線量は一般的に同量の HTO の摂取からの線量の最大 10 倍まで大きくなり、線量への OBT
の寄与は支配的になるかもしれない。」(170)、「増殖している細胞の核への吸収線量は、トリチウム化 DNA 前
駆体の急性摂取および長期摂取のいずれについても、同量の HTO の摂取からの線量よりも 1 桁から 2 桁大
きい可能性がある。トリチウムβ線の平均飛程は哺乳動物細胞の核の大きさよりもかなり小さいので、臓器あ
るいは組織平均線量の使用は、3H ヌクレオシドの場合は慎重な考慮が求められる。ICRP の OBT に対する線
量係数は、トリチウム化 DNA 前駆体の摂取には直接的に適用すべきではない。」(171)と警告しています※7。国
放射線防護委員会 ICRP は、作業者および公衆によるトリチウム摂取に関する体内動態モデルを現在改良
中ですが、未だに結論はでていません。つまり、トリチウムの生物学的影響、とりわけ公衆への健康影響につい
ては科学的に未解明であり、「薄めれば安全」というように単純なものではありません。
※7 UNSCEAR2016 年報告書科学的附属書 C では、「RBE 値は、等価線量や実効線量を計算する際に ICRP放射線
護の目的においては単純化することが適切と考えて提唱している放射線加重係数(wR)の概念とは区別しなければなら
ないが、その基礎となる値である。放射線防護では、低線量ばく露時の確率的影響を誘発する線量から求められる RBE
(RBEM)が特に注目されている。」(254)と断った上で、「ICRP は、低 LET 放射線の RBE 値に有意な変動がある証拠(例
えば、光子エネルギーの低下に伴う RBE の増加)を認識していたが、より詳細な区別化が放射線防護の目的を保証しな
いと結論づけた。そこで、トリチウムからのβ粒子を含むすべての電子と光子に適用するための実用的な値として wR を 1
とした。」(255)今後のトリチウム摂取に関する体内動態モデルの改良により、HTO と OBT の放射線加重係数(wR)が引
上げられ、線量告示にあるトリチウムの告示濃度限度が引き下げられる可能性がある。 
(h) 海面付近と海底付近の海水層の拡散混合は少なく、東京電力の数値シミュレーションによっても、海底放出
口から排出された