議会選挙における供託金の金額
選挙 |
金額 |
没収点 |
備考 |
イギリス(下院) |
500ポンド[11](約8万円) |
小選挙区制で5% |
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アイルランド(下院) |
500ユーロ[12](約6万5千円) |
単記移譲式でドループ基数の25% |
政党公認候補と30名の推薦人を得た候補は供託免除 |
オランダ(下院) |
1政党当たり11,250ユーロ(約150万円) |
比例代表制で0.5% |
現職議員が所属する政党は供託免除 |
カナダ議会 |
1,000カナダドル(約10万円) |
小選挙区制で10% |
収支報告の提出により没収免除 |
オーストラリア(上院) |
2,000オーストラリア・ドル(約18万4千円) |
優先順位付(単記移譲式)投票の1位票で4% |
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オーストラリア(下院) |
1,000オーストラリア・ドル(約9万2千円) |
優先順位付投票(Instant-runoff voting)の1位票で4% |
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ニュージーランド議会(選挙区) |
300ニュージーランド・ドル(約2万4千円) |
5% |
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ニュージーランド議会(比例代表) |
1政党当たり1,000ニュージーランド・ドル(約8万円) |
0.5% |
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インド(上院) |
10,000インド・ルピー(約1万7千円) |
6分の1 |
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インド(下院) |
25,000インド・ルピー(約4万2千円) |
6分の1 |
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マレーシア(上院) |
5,000リンギット(約16万円) |
12.5% |
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マレーシア(下院) |
10,000リンギット(約31万円) |
12.5% |
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香港立法会(直接選挙) |
50,000香港ドル(約65万円) |
3% |
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香港立法会(職能団体別) |
25,000香港ドル(約32万円) |
3% |
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シンガポール国会 |
16,000シンガポールドル(約126万円) |
12.5% |
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中華民国立法院 |
20万ニュー台湾ドル(約67万円) |
有権者総数と議員定数の商の10分の1 |
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韓国国会 |
1,500万ウォン(約135万円) |
小選挙区制で10%(15%未満は半額没収) |
比例代表制では政党に議席の割り当てがない場合にのみ没収され、1議席でも割り当てがあれば全額返還される |
トルコ議会 |
7,734トルコリラ(約40万円) |
返還されない |
政党公認候補は供託免除 |
ウクライナ議会(選挙区) |
13,224フリヴニャ(約16万円) |
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落選または登録無効の場合に没収 |
ウクライナ(比例代表) |
1政党当たり220万4千フリヴニャ(約2700万円) |
5% |
得票率5%未満の場合、議席が割り当てられず供託金も没収となる |
またアメリカ合衆国・フランス・ドイツ・イタリアなどは、選挙の供託金制度がなく、フランスに至っては、上院200フランス・フラン(約4千円)、下院1,000フラン(約2万円)の供託金すら批判の対象となり、1995年に供託金制度が廃止されている。
近代においてはジョン・ロックにより自然権の一つとして提唱され、アメリカ独立戦争やフランス革命の理論的根拠となった。ドイツでは戦う民主主義の実現理念として、ドイツ連邦共和国基本法の基本理念(第1章:民主主義を維持するために行使される自由と権利の絶対保障)を破壊する政治行動に対する抵抗権(第20条4項)が明文化されている。
ドイツ基本法における「抵抗権」
- ドイツ連邦共和国は、民主的かつ社会的連邦国家である。
- すべての国家権力は、国民より発する。国家権力は、国民により、選挙および投票によって、ならびに立法、執行権および司法の特別の機関を通じて行使される。
- 立法は、憲法的秩序に拘束され、執行権および司法は、法律および法に拘束される。
- すべてのドイツ人は、この秩序を除去しようと企てる何人に対しても、他の救済手段が存在しないときは、抵抗権を有する。
【独自】首相テロ・木村隆二(24歳)が国を相手取って起こした「本人訴訟」自筆の主張全文を公開する《旧統一教会と岸田首相への批判も》
昨年7月の参院選出馬を検討
岸田文雄首相を襲撃した木村隆二容疑者(24歳)は、4月17日に弁護士の接見に応じたものの、取り調べには現在も黙秘を続けており、事件の動機はまだ判明していない。 【写真】「おい、何やってんや!」岸田首相テロ…木村隆二容疑者(24歳) そんななか、木村容疑者が2022年6月に国に損害賠償を求め、神戸地裁に提訴していたことがわかった。現代ビジネスはその訴訟の全貌をつかんだ。その折の木村容疑者の主張のなかには、旧統一教会や岸田文雄首相、安倍晋三元首相に関する批判も並ぶ。 木村容疑者は昨年7月10日投開票の参議院選挙に立候補しようとしていた。だが当時23歳の木村容疑者には被選挙権がなく、選挙区から出馬するのに必要な供託金300万円も準備できなかった。 木村容疑者は、公職選挙法が定める被選挙権の要件や供託金が憲法違反だとして、国を訴えたのだ。弁護士はつけず、自ら訴状などを作成した「本人訴訟」として訴訟を起こした。 今回「現代ビジネス」は、2022年11月18日に神戸地裁で言い渡された判決文や裁判資料を入手した。そこからは、木村容疑者のテロ事件への犯行動機につながる政治的な恨みが浮かび上がる。 木村容疑者はどのような主張をしていたのか。今回のテロ事件につながるものはあるのか。訴訟資料から本人の主張を引用しよう。まず、被選挙権の年齢要件について。 《立候補の自由は、選挙権の自由な行使と表裏の関係にあるから、憲法15条1項、3項が保障する選挙権は、被選挙権をも保障していると解すべきである。》 木村容疑者の主張の引用を続けよう。 《参議院議員の被選挙権年齢を満30年以上に設定する公選法10条1項2号を含む公選法10条の規定は、合理的な理由なく成年の被選挙権を侵害するものであり、憲法15条1項及び3項に違反するものである。 また、満30年未満の成人が、満30年以上の成人と同じ「大人」であるにもかかわらず、参議院選挙につき被選挙権を有しないとされることは、社会経験に基づく思慮が十分ではなく、その分別を有しないことを理由とする差別であるから、公選法10条1項2号に規定は、憲法14条に違反するものである。》
憲法違反を主張
そして、立候補に必要な供託金について、木村容疑者はこう主張する。 《ア 公選法92条の選挙供託制度は、立候補の自由を保障する憲法15条1項、及び、立候補者資格の「財産又は収入」による差別を禁じる憲法44条但書に違反するものである。 イ 公選法92条の選挙供託制度は、無産政党ないし無産者の議会への進出を抑制することを真の目的として導入され、現在に至るまでその目的のもとで存続してきたものであるから、公共の利益の確保とは何ら関係がない。 また、例えば、当選者が極めて多くの票を獲得した選挙区で、得票数2位で落選した候補者は、仮にその得票数が供託金没収点以下であったとしても「真摯に当選を争う意思のない安易な立候補者」との評価を受ける合理的な理由はないから、選挙供託制度は合理的理由を有しないと評されるべきである。 選挙供託制度がない国又は供託金額が数万円と低額の国で、公正な選挙が実施できないほど選挙が妨害された事例はうかがわれないことは、選挙供託制度に合理性がないことの証左である。 ウ よって、本件立法不作為(2)は、国家賠償法1条1項の適用上違法である。》 弁護士を立てていない以上、これらの主張は木村容疑者自ら執筆した可能性が高い。 記事の後篇では、実は事件当時は高裁の判決待ちだったこの裁判の結末と、木村容疑者が裁判の過程で頼っていた代議士の告白を紹介する。
現代ビジネス編集部
抵抗権の行使でドイツだったら無罪の可能性あり?
実際、民主主義の輸出国であるフランスはデモ起こしまくりだし。
でもフランスもドイツも日本と同じ民主主義国家で、先進国だしなあ。
なんかすごいこと起きてたんだなあ。
袴田さんの再審も決まったことだし、なんか司法が揺れ動いてるね……
すごい事件が起きたもんだ……